こんにちは、管理人です。
毎日色々なニュースがありますが、最近ジワジワというか大きなニュースに埋もれて報道されているのが、カーシェアリング業者が破産して、その被害者が数百人いるというニュースです。
最初にこれを聞いて ? となるかもしれませんが、中身を見てみるととんでもない実態が判明しました。
話が深いので順番に見ていきます。
まず、今回のカーシェアリングビジネスの概要ですが、簡単に言うと、
「車のオーナー(一般人)がカーシェアリング業者に車を預けて、業者はその借りた車を使用したい人を募集して貸し出し、その利益をオーナーに分配する」
というのが一般的なビジネスモデルです。
しかし今回の場合は深い闇が隠されています。
以下のような特徴があります
・車のオーナーはブラック履歴の無い若年層
・オーナーは車に興味が無い、車の知識が無い若者
・オーナーの車は、カーシェア業者を通してローンを組んで購入している
・ローンはオーバーローン
・車は国産・外国問わず高級車
・カーシェア契約を結んだら、オーナーに一時金50万円支給
・車の諸経費は全て業者負担
・カーシェア業者の代表者はいわゆる「反社」
と、こんな感じです。
実際にどのように被害者たちと接触していたのかはわかりませんが、言葉巧みに誘い込んだのでしょう。
まず、そもそもの問題点ですが、オーナーが貸し出す車を、カーシェアリングのためにわざわざローンを組んで購入している点に問題があります。
これは不動産投資にも言えることですが、ローンを組んで手に入れたものを他人に貸して賃貸収入を得て、何割かをローンの返済に充てるという行為は、余程のリスク管理が必要になります。
実際に今回の例では、そのローンの支払い金や車に関する諸経費(車検・保険・税金など)の費用の上に、車の売り上げの5%を毎月振り込んでくれるという触れ込みだったそうですが、この時点でビジネスが成り立つのか考える必要があります。
実際には数ヶ月振り込まれた後に支払いが止まり破産したという典型的な流れだったそうですが。。。
カーシェアリングの売り上げが伸びずに、当初から事実上の自転車操業だったのではないか?
そして、もう一つの大きな問題点。
「貸し出す車をローンを組んで購入する」という点ですが、
ローンを組む際に、「実際の年収を水増しする」「車両の価格を水増しする」ということを行っています。
どういうカラクリか、まず、年収の水増しについて、
「オーナーはローンの審査に影響がなく、車に興味がない若者」と書きました。
本当の年収を書いてしまうとローンが通らない。そこで年収を偽装して、ローンを組みます。
そしてもう一つ、車の価値を上げることによって、多くのお金を借りることができます。
例えば、400万円の車を買うにあたり、800万円の車と偽ってローンを組めば、400万円の現金が手元に残ります。オーナーは400万の価値しかない車を800万円の車だと信じてローンを組んでいます。
ということは、400万円の現金は誰の手に?
完全に知識のない若年者をカモにした詐欺事件です。
が、言われるがままにしても、年収をごまかしてローンの申請をしたのは本人なので、この辺りが犯罪者の巧みな技なんだなと思うところです。
世の中には様々な投資ビジネスが溢れています。
今回のように、「買ったものを人に預けてその利益を得る」というジビネスモデルは結構あります。
過去の例を見ると、かぼちゃの馬車事件でスルガスキームと呼ばれるものも、今回の不動産バージョンと言っても良いですし、ジャパンライフ事件も、まさにこの典型です。
投資ビジネスに挑戦したい人は以下の3つのことを守った方が良いと思います。
1・投資に当てる資金は余剰資金で!(生活費以外)
はっきり言って、ローンを組む必要があるものは、手を出さない方がいいと思います。
それでもやりたい時は、ローンの返済がきちんとできるのか、よくシミュレーションをする必要があります。
2・ビジネスモデルの仕組みを理解する!
どんなビジネスにも「儲けのカラクリ」があります。
「なぜ、そんなことで利益が出るのか?」「なぜ、このことに需要があるのか?」
というように、常に「なぜ?」という疑問を持って考え、その儲けの仕組みを理解できたら、自分の中でGOサインを出しましょう。
3・出資金(元本)を返してもらえる条件・保障を確認しておく!
そのビジネスを遂行するにあたり「あなたの出資金が必要で、そのお礼に利益の一部を還元します」というものが大抵のモデルです。
なので、いきなり出資金を全額返してくれと言われても業者は困ってしまうので、その返還には明確なルールが存在します。契約の際に、その条件をよく確認しましょう。
契約の内容次第では、出資金を失う結果になりかねません。
以上のように、投資ビジネスは細心の注意が必要です。